すべての人を大切にする会社を作りたいと起業

人とのつながりを大切にする会社を作りたい

OA機器やセキュリティネットワークカメラの販売、介護事業所向けオリジナル請求ソフト『けあハブ』、アロマ機器販売などの事業を行う株式会社トレジャー。代表取締役の神木真氏によると、自身も販売経験があるOA機器販売からスタートし、徐々に取扱商品を増やしていったという。
「OA機器の販売会社というと、営業会社で売りっぱなしというイメージがあるかもしれません。私自身、サラリーマンとして働いていた会社もそうで、お客さまを社内の営業担当者が取り合うのは日常茶飯事だったんです。でも、それでは長く存続することはできないと考えていました」

お客さま、社員、取引先など、すべての人を大切にする会社を作りたいと考えた神木氏は、起業を決意してその社名を『トレジャー』とした。
「自分の起業をサポートしてくれる人たちこそ最高の宝物だと感じたので、社名を『トレジャー』としました。現在は介護事業者のお客さまを中心に、さまざまな業界のお客さまに商品をお届けしています。おかげさまで、新規のお客さまの約半分が既存のお客さまからのご紹介。多くの方に信頼されているからこそ、この信頼を裏切らぬように、そしてさらに成長させていきたいと思っています」

社員も社員の家族も『トレジャーの家族』

FirstStepとの出会いは、知人からの紹介だった。紹介してもらうにあたり、神木氏はある条件を知人に伝えた。その条件とは『時代が読める人』と『私自身より若くて勢いがある人』というもの。
「『税理士＝数字の計算係』という考え方ではなく、もっと広い視野で当社を見てくれる人にお願いしたかった。あと、若さも大切な要素だと思っていました。私とは異なる視点から会社経営のアドバイスをしてくれる、そんな税理士さんにお願いしたかったんです」

一度会ってほぼ即決で依頼することを決めたそうで、今もその時の判断は正しかったと確信している。
「月1回、一緒に話をすることで会社の将来像や社内のIT化など、経営数字以外のさまざまな面をサポートしてもらっています。特に時代の流れを見る目が鋭く、経営に活かせる情報をたくさん提供してもらえており、とても満足しています」

神木氏は自社の社員を家族と考える考え方をさらに進め、社員の家族も『トレジャーの家族』だと考えてさまざまな取り組みを行っている。
「数年前から、社員の奥様の誕生日には会社から花を、お子さまの誕生日には商品券を贈っています。めざす会社像は『自分の子どもを働かせたいと思う会社にすること』。私はもちろんですが、社員や社員の奥様にもそう思っていただける会社をめざします」

社員を信じ続ける、それが社長の仕事

これから起業を考える人にアドバイスをお願いすると、やはり「人とのつながりを大切にすること」という答えが返ってきた。
「志のある人のところには志のある人が集まりますし、お金目当てしか考えない人のところにはお金目当ての人しか集まりません。高い志を持ち続ければ、同じ志を持つ人と必ず出会えます。そしてもう一つ大切なのが、自分からアクションすること。志が高くても、待っているだけでは何も変わりません」

人が自分からアクションできないのは失敗を恐れているから、と神木氏。
「行動すれば失敗することもあります。いつも成功するはずがありません。でも、成功している社長の話を聞くと、皆さん驚くほどたくさんの失敗をしていますから、失敗は成功のきっかけだと思うようにしています」

最後に今後の展開について話をうかがうと、2016年の会社のキャッチフレーズ『社員が輝ける会社をつくる』の実現に取り組むという。
「会社が社員を大切にすれば、社員もお客さまを大切にしてくれると信じています。社員が成長できる環境を用意して、あとは信じ続けることが社長の仕事。社員一人ひとりが持つ志をすべて実現できる会社をめざします」