代表取締役 池側 賢一
HP http://www.ken-auto-trading.net

会社名 Ken Auto Trading株式会社
住所 〒650-0011 神戸市中央区下山手通6-3-15
代表者名 池側 賢一
設立 2007年10月
事業内容 中古車輸出事業

30カ国以上に、年間2,000台の中古車を輸出

池側賢一氏が代表取締役を務めるKen Auto Trading株式会社は、日本の中古車を海外に輸出している。
「日本の中古車を年間2,000台以上輸出しており、現在はアジアやアフリカを中心に30カ国以上と取引しています」

子どもの頃から起業が頭にあったという池側氏。大学時代は工学系の勉強をしながら中国に留学し、卒業後は大手家電メーカーでエンジニアに。その後は香港の日系企業に転職して、日本向け商品の開発や販売を担当し、MBA取得のためにモナコにも留学した。
「MBA取得後は帰国し、起業資金を貯めるために日本で就職活動をしたんですが採用されなくて……。そりゃ、近いうちに起業を宣言する人を誰も採用しないですよね(笑)。でも不採用の連続が『今自分で起業するしかない』と腹をくくらせ、私の背中を押してくれたんです」

起業を決意した池側氏が選んだビジネスは中古車輸出。
「理由はふたつ。ひとつは起業雑誌の『tradecarview』の記事を見て『これしかない!』と思ったこと。もうひとつは父が中古車販売業を営んでおり、自分にもできると考えました」

バラ色の未来を想像しながら始めた中古車輸出業だが、開始3カ月間は1台も売れなかった。
「自分の勝手な思い込みで売れると思った車を買って、ネット上のページに並べるだけ。今思えば、売れないのは当然ですよね(笑)」

一時は、昼は契約社員として工場の製造ラインで働き、夜は中古車輸出の仕事をするという生活を送る時期もあった。
「事業を諦めなかったのは、起業を成功させるという信念と『世界最強の商材である日本車で商売できなければ、どんな事業で起業しても失敗する』と思ったから。この経験は大変でしたが、自分の信念を確固たるものにしてくれました」

『お客様のために』を常に考える

苦労して事業を軌道に乗せた池側氏。しかし起業当初、経理作業を自分でやっていたことで損失を出してしまう。
「輸出事業者に関する税金の制度を知らず、払う必要のない税金を払ってしまっていて……。その問題を解決する早道が法人化だと知り、すぐさまインターネットで調べて見つけたのがFirstStepさんでした」

Webサイトも作り込まれており、訪問時も安心だと感じた池側氏は早速契約した。
「経理面はもちろん自分のビジョンや今後の方向性についてアドバイスをもらいます。今では、経営全般のアドバイザー的な感じですね」

次にビジネスで最も大切にしていることを尋ねると、『お客様のために』を一番に考えること、という答えが返ってきた。
「当社の事業は世界中の会社が競合で、価格もサービスも対応もすべて競合他社と比較されている。その中で生き残るには『想い』が大切だと思っています」

言葉も文化も異なる国の人々とビジネスをするからこそ、マインド(想い)の部分を大切にしている、と池側氏。
「その想いを伝える手段のひとつが『可能な限りお客様の要望に応える』こと。細かい要望をおうかがいしたり、いつもお願いするビジネスパートナーの会社さんとの関係に気を配ったり。特にビジネスパートナーの会社さんは、お客様に喜んでいただくために一緒に努力する仲間。いつも感謝しています」

想定外の連続こそ、起業の醍醐味

これから起業しようとする人へのアドバイスをお願いすると、『実際にはケース・バイ・ケースですが』と前置きした上で、次のような言葉が。
「起業前に想定したことは、全部間違いだと思った方がいい。なぜなら起業前に思いつくことなんて、所詮は起業前の自分自身の枠の中で想像できる範囲。実際に起業すると、その想像を超えたあらゆる問題が噴出してきますから」

だからこそ大切なことは、『今自分が思う以上の出来事が起こる、と覚悟しておくこと』だという。
「そうすれば余分に資金を準備したり、スキルや知識を学んでから起業するでしょう。実は私も覚悟不足で、起業前は初月から黒字のイメージでしたし、自己資金の倍以上の借り入れをして事業を始めました。確実に失敗するパターンですから、今ならとてもじゃないが怖くてできません(笑)」

ただ、信じて突き進む信念も大切で、要は柔軟な考え方が必要なのだ。
「起業の先輩は小さな失敗をたくさんしています。でも、想いが備わった失敗は必ず次につながる。起業前に、失敗も成功も多くのケースを見ておられるFirstStepさんに相談すれば、失敗する確率は確実に下がりますよ」

最後に、今後の展開についてお話をうかがった。
「最近は満足してくれるお客様を地道に増やすことが大事だと思うようになりました。だから顧客満足度100%が目標。満足してもらえば、自然にお客様は増えていくものですから」

担当者より

会社設立のサポートをさせていただいてから、早いもので5年が過ぎました。
設立当初は苦労されたこともありましたが、それ以降すごい勢いで事業を拡大されてこられました。
また、社長ご自身も現状に満足するわけではなく、常に新しいことにアンテナを張っておられ、その姿勢にもいつも感心させられます。
今後ともよろしくお願いいたします。(辛島 政勇