こんにちは!FirstStepで起業された方によく「融資」についてご相談をいただくことがあります。

「起業されたばかりなので、営業実績が乏しいことを理由に一般の金融機関から融資を受けることが困難である」ことや、「革新的な事業を行うベンチャー企業さんに対して、経営のリスクが大企業さんに比べて大きいため、なかなか積極的な融資も受けることができない」といった内容です。

このように、融資について悩みを抱えられている中小企業さんは多いようですね。

今回は、起業家向けの創業融資のお話しです。記事は澤田が担当させていただきます。

創業融資の話

 【 目 次 】

 1. 創業融資とは

 2. 日本政策金融公庫と信用保証協会

 3. 創業融資のポイント

 4. 申し込みから融資実行までの流れ

 5. 創業融資手続きの流れのまとめ

 

 創業融資制度とは

創業融資制度とは、起業したばかりで、売上や利益など数字の実績がない事業所(法人及び個人)でも特別にお金を借りることができる制度です。

創業融資制度は、

  1. 日本政策金融公庫
  2. 信用保証協会

上記2つの機関が取扱いしています。

地銀や信金も起業家向けに融資を行うことも稀にありますが、担保が必要であったり、大きな企業との契約が決まっていて返済可能性が高いと判断出来る何かしらのモノをもっているなどのことがない限りなかなか難しいです。

以下、創業融資制度を取り扱ってる2つの機関について簡単にご説明させてもらい、その後申込みの要件から融資実行までの流れをご説明させていただきます。

日本政策金融公庫と信用保証協会

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、政策金融機関として一般の金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ、中小零細企業の資金調達を支援するための金融機能を担うことによって、日本及び国際経済社会の健全な発展ならびに国民生活の向上に寄与することを目的としている組織です。

日本政策金融公庫は起業家向けの制度として、新創業融資制度というものを取り扱っています。これは、税務申告を2期終えていない方へ無担保・無保証人で融資する制度で、平成24年度の融資実績は、7,926企業となっております。

信用保証協会

信用保証協会とは、金融機関から融資を受ける際に、その債務を保証することで、中小零細企業の資金繰りの円滑化を図ることを目的としている公益法人です。信用保証協会が、直接融資を実行することはありません。

中小零細企業の調達できる額や条件が不利になるといった問題を解消するため、信用保証協会が金融機関に対して信用保証を行います。
企業は、信用保証協会に対して保証料・金融機関に対して利息を支払います。
地域によっては、行政(市や県)が信用保証料を助成している地域もありますので、保証協会を通じた融資を考えてる方は調べてみてもいいかもしれません!

各都道府県に信用保証協会は存在し、現在では全国52か所の信用保証協会があります。

創業融資のポイント

創業融資を受けるために判断されるポイントは大きく分けて3つあります。

①実在性・・・その会社が実在しているのかどうか

②信頼性・・・面談で話す内容、事業計画書等の提出書類に記載していることが信頼できるかどうか

③実現可能性・・・今後の展望や計画が実現可能なものなのかどうか

実在性については、確認のため事務所の賃貸契約書の提出を求められる場合や、事務所に直接実地確認しに来ることがあります。

信頼性については、過去の経歴や役職、取得資格や取組事例などで判断されます。

実現可能性については、事業計画書やマーケット、実際の契約書や注文書による売上の裏付けの確認などで判断されます。

なので、借入の際に書く書類はキチッと記載する必要があり、その記載内容の根拠の裏付けとして資金計画書等が必要となってきます!

創業融資の要件とは

創業融資を受ける場合の要件は以下の要件が必要です。

①これから起業される方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方

政策金融公庫の場合は上記の通りですが、信用保証協会の場合は、「これから起業される方、または創業した日から5年未満である方」となっております。

②雇用創出や経済活性化、勤務経験に繋がる事業を始める方

③自己資金要件

政策金融公庫の場合、「創業資金の3分の1以上の自己資金を確認できる方」としています。例えば借入時の預金残高(自己資金)が400万円であれば、申込限度額の目安は800万円となります。

また、信用保証協会の場合では、「創業資金の5分の1以上が自己資金であること」となっております。信用保証協会の方が日本政策金融公庫と比べると自己資金要件は緩いですね。

上記以外にも、許認可等が必要な業種であれば取得の要件が必要であったり、申込みのケースによって異なります。詳しくは日本政策金融公庫のホームページやお近くの信用保証協会にお問い合わせください。

申し込みから融資実行までの流れ

はじめての融資申し込みの場合は、追加資料等を求められることもあります。
これらは、創業融資のポイントで挙げた実現可能性や信頼性を把握するために求められるものです。
追加資料を求められた場合は、審査や準備に意外と時間が掛かる場合があり注意が必要です。
時間的に余裕を持った借入計画にしましょう!!

それではまず日本政策金融公庫のケースから見ていきます。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫で新創業融資制度の融資を受けるときの大まかな流れは以下の通りです。

日本政策金融公庫 流れ図

1 「借入申込書」「創業計画書」の作成

これらの書類は、最寄りの日本政策金融公庫へ取りに行くか、インターネットで日本政策金融公庫のサイトからダウンロードすれば入手できます。

○借入申込書

借入申込書の記入については、公庫のサイトにある「借入申込書記入例」を参考にしてください。

ここで借入申込書の書き方で注意していただきたい所は、設備資金のところです。まず設備資金として融資を申し込む場合には、必ず見積書が必要になります。

机などの什器類や車両などの設備購入資金は、購入予定の業者さんに見積書作成を依頼しましょう。見積書の他にもチラシ、カタログ、サイト画面の印刷でも大丈夫です!!また、事務所を借りる際に、設備資金でお申込みを考えている場合は折込チラシなどでも大丈夫です!

○創業計画書

ここで創業計画書の書き方で注意していただきたい所は、きっちり返済ができるよってことが分かる資金計画で、その売上や経費の根拠や裏付けをご自身の事業を知らない融資の担当者にも理解出来るようにする必要があります。

得意先が決まってるなら、その契約書。得意先になって頂けそうな企業があるならその企業とのやりとりをまとめたもの。
また、同業他社と自社の違いや強みを比較することでマーケットをこのように取っていくんだよって資料等があれば計画書に落としこむことと、添付でもっていけば裏付けになります。

創業計画書の書き方 こちらも参考にして下さい!

2 融資申込み

こちらは、必要書類をそろえて管轄の支店に持参するか郵送してください。
必要な書類は、日本政策金融公庫のHPにも掲載されてますのでご参考にして下さい。

3 面談

上記の書類を提出すれば、申し込みは終了です。
提出の際に創業計画書の内容について質問されることはありません。
提出後1週間程度で面談が行われます。
政策金融公庫に融資申込みが殺到している場合などは、面談が大幅に遅れることがあります。

面談時に持参する書類については後日、面談の日などが記載された用紙に書かれています。
例えば、個人の預金通帳です。
通帳は、ローンの返済や自己資金を確認するため、また過去の利用履歴(遅延がないかどうか)、家賃や公共料金の支払状況(遅延がないかどうか)を確認されたりします。

面談が行われるまでのおよそ1週間で、提出した創業計画書や資金計画書等の内容を確認し、面談でそれらの書類について自信を持って話せるように準備をします。
面談で必ず確認される事項は以下の4つです。

  1. なぜこの事業を始めたのかという創業の動機
  2. この事業を始めるにあたって今までのご自身の経歴・役職・取組事例
  3. どのような事業内容・事業展開なのか
  4. 事業内容に他社との違いがわかる差別化を図っているかどうか

これらの事項は、創業計画書に書いた内容です。
この創業計画書をご自身で作っているのかどうか、起業に対する熱い想いや今後の展望を見る力があるのかどうかを見られています。
できる限り自分の言葉で具体的・論理的に説明できるようにしましょう!!

4 契約

面談の結果、融資が決定すれば契約書類が郵送されます。必要事項を記入しましょう!

5 融資実行

必要事項を記入し契約手続きが完了すれば、融資決定金額は指定の口座に振り込みされます。

 信用保証協会

保証協会の融資の流れは大まかな流れは以下の通りです。

1 申込書の記入・提出

信用保証協会で創業融資を申し込む方法は3つあります。

①地方自治体の斡旋によって申込む方法

地方自治体の斡旋によって申込む方法
①の方法は、市役所や区役所に保証協会の窓口があり、そこで申込みをするだけです。
地方自治体の斡旋なので融資を受けることができる可能性が高まります。
この方法では借入が実行され、返済の時に支払う利息を補助してもらえる利子補給等のメリットもあります。

 

②金融機関に依頼して申し込む方法

金融機関に依頼して申し込む方法

②の方法は、金融機関の営業マンが信用保証協会に行ってもらい、その後のやり取りも金融機関が行ってくれるので申込みをした方は楽です。
またもう一つのメリットとして、金融機関によって事前に打合せ相談を行い、融資申込金額の必要性や裏付けを詳しく保証協会に伝えてくれるので、申込金額の減額も少ないことが挙げられます。
しかし、いきなり金融機関にお願いしても動いてくれないので注意が必要です。事前にあいさつや事業計画書を提出し関係を構築することが大切です!

 

③信用保証協会へ直接申し込む方法

直接申し込む方法

③の方法は、申込みから結果が出るまでの期間が一番早いことがメリットとして挙げられます。
しかし、詳細な事業計画書がなかったり、必要資金の説明が甘くなり、判断され、申込金額が減額されやすい傾向にあります。

 

これら3つの申し込み時の提出書類はケースによって異なります。詳しくはお近くの信用保証協会にお問い合わせください。

2 保証審査

お申込が受け付けられると、信用保証協会において保証審査を行います。

この保証審査も創業融資のポイントで挙げたものと同様に、実在性や信頼性、実現可能性といった所を見てきます。その審査過程において、訪問や面談を行う場合があります。

3 保証承諾

保証審査の結果、金融機関に対し信用保証書が発行されます。そして金融機関から郵送される契約書類に押印します。

4 融資実行

金融機関から融資が実行されます。この融資実行時に、保証料を金融機関経由で支払います。

以上が日本政策金融公庫と信用保証協会の流れです。上の図を見てもらえば、おおよその日数がわかります!!ご参考ください。

創業融資手続きの流れのまとめ

このように、創業融資の申し込みから融資実行までの流れを簡単にご説明しましたが、いくら勝算のある事業計画であっても、申し込めば必ず創業融資が決定するものでもありません。

また、借入ありきの起業はリスクが大変高いです!!まず借入ありきで経営を始めてしまうことは儲かる前に資金ショートする可能性が高くなります。
創業資金の半分以上を借金ではじめるケースの倒産率は8割以上といわれています。
資金面で無理をして起業したとしても、会社が継続するのは実際難しいものなんですね。

借入を申し込む際も、自己資金の要件は見られます。
起業するに当たってコツコツと貯めて来た自己資金が多ければ多いほど、「この人は自分の事業に熱意を持っている人だ。」と思われます。

自己資金を用意した上で、後いくらの融資があれば事業を確実に回すことができるかをしっかりと考えて、時間的に余裕を持った借入計画の上で融資希望額を決めるようにして下さい。
その為にも、将来予測である資金繰り・事業内容を綿密に計画して成功を掴み取りましょう!!

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