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代表取締役 中垣 拓也
HP http://tolq.jp/
Instagram https://www.instagram.com/gackey1987/

会社名 tolq
住所 〒541-0054 大阪市中央区南本町2-4-10 丸忠第2ビル707号
代表者名 中垣 拓也
従業員数 1人
事業内容 ファッションウェアの企画・デザイン・OEM

起業してデザイナーとして活躍する場を自分で作った

ファッションウェアの企画デザインやOEMを手掛けるtolq。代表の中垣拓也氏が起業するきっかけは突然やってきた。大学卒業後、新卒で入社した子供服メーカーが3カ月で倒産したのだ。
「すぐ再就職の道を模索するも、デザイナー採用は難しいと感じました。ならば、小さいながらも一人で服を作り続ければ、再就職への道が開けるんじゃないかと考え、起業を決意しました」

生産工場のツテもまったくない中、最初に作ったのはTシャツ50着。
「日本中を営業しましたが、まったく取り扱ってもらえませんでした。それでも売り切らないと、次の服を作る費用が捻出できないので必死で営業しました」

そんな時、SNSで東京にある子供服メーカーの担当者と知り合い、その会社の展示会の片隅でtolqの服を展示できることになったものの、ここでもまったく売れなかった。
「そこで再び日本中を営業活動して回ると、今度は10社以上から受注がありました。しかも、展示会で知り合った大阪の子供服メーカーの担当者から『うちの会社で働かないか』と誘われたんです。そもそも、起業してひとりで服を作り始めたのは再就職するためでしたから嬉しかったのですが、起業を成功させたいという想いが強くて入社の誘いを断ることにしました」

すると、外部ディレクターとして1つのブランドを任されることになり、年間約360アイテムもの子供服の企画・デザインを3年間ほど担当した。
「その後、OEMの請負をメイン業務することにしました。業界の大先輩の紹介などで日本中の工場とつながりを持つことができ、今はさまざまな服のOEM業務を請け負っています」

作り手の愛着やプライドは、プロセスに宿るもの

tolq3個人事業主として活動する中垣氏だが、経理面は中央会計に依頼している。
「知人から紹介してもらいました。今は個人事業主なので必要ないのかもしれませんが、とにかく数字が苦手で……。これから事業を拡大していく中で法人化や融資を受ける必要が出てくると考えました。その時に備えて数字面は早めにプロにお願いしたいと考えて、中央会計さんに依頼しました。今年中に法人化を予定しているので、その際はFirstStepさんに依頼する予定です」

事業の未来を見据えて準備を進める中垣氏が、仕事に取り組む際に大切にしていること、それはプロセスだ。
「製品が完成するまでのプロセスを大切にしたい。縫製をはじめとした職人さんへのリスペクトは基本中の基本。最近は、メール1本送れば製品ができあがってくる感覚で服づくりをしている人も少なくない。私は服づくりの現場を大切にしたくて、直接顔が見える日本国内の工場に依頼するようにしています」

作り手の愛着やプライドはプロセスに宿る、と中垣氏。OEMを請け負う立場から、きちんとした品質の製品をきちんとした価格で販売するお手伝いをし続けたいという。
「昨今『Made in Japan=高品質』として注目されていますが、日本製なら何でも高品質かというと違います。適切なプロセスや作り手を選べなかったのか、Made in Japanを名乗るのも恥ずかしい低品質の製品も存在します。本物のMade in Japanの品質を感じてもらえる製品を届けるのも、tolqの使命だと考えています」

起業に準備は必要ない!一刻も早く起業するべし!

tolq2プロセスを大切にしながらものづくりに取り組む中垣さんに、これから起業する人へのアドバイスをお願いすると「起業に準備は必要ない」という答えが返ってきた。
「とにかく起業しないと始まりません。早く起業して、たくさん失敗するのが成功への早道だと思います」

中垣氏も自分の中で失敗をたくさんしたいという。人も会社もたくさん失敗している会社は面白い、というのが持論。
「失敗の経験は貴重ですし、失敗を重ねて試行錯誤するのがものづくり。失敗しないと良いものができないんです。失敗はお金以上の財産なんですよ」

最後に今後の展開について話をうかがうと、すでに成長ストーリーが動き始めているようだ。 「間もなくパートナーが1人参画し、本格的に事業を拡大&スピードアップしていきます。加えて2016年中に法人化を行います。めざすのは、tolqの製品が本物のMade in Japan製品であることを保証するような信頼ある会社です」

また、自分より若い世代を育てることにも取り組みたいという。
「私自身、先輩方から知識や経験を教えてもらい、育ててもらったと感じています。同じように私も、知恵、経験、失敗を余すことなく伝えていきたい。特に、デザイナーとしての立ち振る舞いといった精神的、内面的な部分を伝えたいですね」

担当者より

国内の高度な技術、面白い技術を取り入れた衣服を企画・製造している中垣さん。
仕事に対する熱意も伝わり、同年代として尊敬しています。
今後の中垣さんの事業の発展を少しでもサポートできれば幸いです。
中垣さん手製のジーンズを履ける日が来ることを楽しみにしています!(澤田 恭平)