代表取締役 天野 陽公
HP http://battery-hairmake.com/

会社名 株式会社Battery
事業内容 美容室の業務全般、
美容室の経営

理想の美容室を実現するべく起業

塚口と御幣島に2店舗の美容室『Battery hair&make』を経営する株式会社Batteryの代表取締役・天野陽公氏。独立を志したのは美容師になってかなりの時間が経過してからだったという。
「専門学校生時代や働き始めた当初は、独立は全然考えていませんでした。美容室で働き始めた当初は、通常3〜5年掛かるカリキュラムを1年でクリアするために睡眠時間を削って朝までトレーニングの毎日。誰よりも早くスタイリストになりたい、スタイリストになった後は誰よりも早く多くの指名をいただきたい、ということだけを考えていましたね」

その結果、天野氏は専門学校を卒業して1年でスタイリスト、2年で店長に。その後、4年ほど店長として店舗運営も任された。起業を考えるようになったのはその頃。
「店長として店舗運営を任され、お金の流れ、店舗運営のノウハウを理解・学習していくにつれ、自分の理想の店舗を実現してみたいという想いが膨らんできました。それを実現するには独立しかない、と」

そこで、塚口に美容室『Battery hair&make』をオープン。美容師である奥様を含め4名での船出だった。
「開店当初、以前の店舗勤務時代のお客様は来てくれるのですが、地元のお客様になかなか来ていただけなくて。店をオープンしたらお客様は来てくれるものだと思っていました。今思えば、来るはずありませんよね(笑)それに気づいてからは、チラシを作って夜中にポスティングをしたりして何とか軌道に乗せることができました」

お金の流れが把握できれば、事業計画の精度もアップ!

個人事業としても店舗経営は軌道に乗っていたにも関わらず、法人化した理由についておうかがいした。
「独立当初は、やはり『自分たちの理想の店を作りたい』という想いが大きかった。でもスタッフが増えるにつれ『スタッフを守りたい。安心して働いて欲しい』という想いが大きくなったことと、独立や転職のために私たちの美容室を辞めることがあっても、社会保障制度で少しでも守ってあげられたら、という想いがありました」

だが、美容業界で社会保障制度を整えているお店は少ない。それでも腹をくくってやる……天野氏の意識の変化こそ、法人化のきっかけだったのだ。そんな天野氏とFirstStepの出会いはネット検索結果だった。
「ネットで検索してFirstStepのWebサイトをみると、費用面や仕組みがとても明快でわかりやすかった。しかもスタッフの方の対応も素晴らしくて即決でした」

法人化以前も別の税理士に依頼していたが、満足できていなかった。
「領収書を渡すと、次回来た時に完成したバランスシートを渡されて終わり。利益以外の説明はほとんどありませんでした。例えば、当社の資金状況についてわかりやすく説明してくれて、利益以外の会社の状況をより具体的に把握できるようになりました。FirstStepにお願いしてから、経営者としての成長も感じています。」

結果、『目指す未来に対して今はどうあるべきか、何をするべきか』が見えるようになり、事業計画書の精度がアップしたという。

『スタッフのため』が『お客様のため』になる!

美容師を目指す人は年々減っており、天野氏はスタッフが働きやすい環境を提供する美容室が生き残ると考えている。だからこそ、美容技術と接客技術からなる『美容師力』と、その人の『人間力』の両方を磨ける環境を用意することが美容室経営者の役割だと考えている。
「同時に、スタッフの成長をお客様の満足につなげるために、私の想いを経営理念として明文化しています。日常や月1回のミーティングを通してスタッフと共有する努力を欠かさないようにしています」

美容師として独立を目指す人に、先輩美容室経営者としてメッセージをお願いした。
「美容師としての技術や能力は不可欠ですが、それ以上に想いの強さが必要です。『何のために起業したいのか』というビジョンが最も重要ですね」

最後に、今後の目標についておうかがいした。
「地域一番店となり、多くのお客様に喜んでいただくというビジョンがあります。さらには私の想いに共感してくれるスタッフを一人でも多く育て、彼らと一緒に夢を追いかけたい。売上や利益はビジョンを実現するためのツールでしかないんですから」

『スタッフのために頑張ってきたから今がある』と語る天野氏。
「起業当初は『お客様のために頑張ろう』と考えていました。でも途中で気がついたんですよ、スタッフのために頑張ることがお客様の満足や喜びにつながるんだ、と。気づかせてくれたスタッフの皆に感謝です」

担当者より

法人化されて3期目となる天野社長。
毎日接客をされながら、日々の現金管理から毎月の数字の把握も完璧にこなされており、期末には翌期の事業計画をたて、毎月計画とのズレを認識されています。
以前、事業計画における人件費の数字をお聞きしているときに、「人材は宝だと気づきました」とおっしゃっていた言葉どおりスタッフさんへの感謝の想いを、数字に反映しておられます。
また、同業の方との情報交換も積極的にされており、日々経営者として成長を続けられる姿勢が、そのまま会社の成長にもつながっているのではないかと思います。
そんな天野社長をこれからもお手伝いさせていただければ光栄です。
今後ともよろしくお願いします。(居村 真規子