代表取締役 下田 真史
HP http://less-design.net/

会社名 株式会社レスデザイン
住所 〒651-0087 神戸市中央区御幸通4-1-10 YAYA BLD 605
代表者名 下田 真史
事業内容 自社ブランド「-Less」「alto.」企画及び開発・製造・販売。(鞄・財布・革小物など)

創造性と協調性に満ちた環境を作るべく起業

革かばんを中心に、さまざまな革製品のデザインや販売を手掛ける株式会社レスデザイン。代表取締役の下田真史氏は、革素材を扱うようになったのは自然な流れだという。
「専門学校でデザインの勉強をしながら、革製品のショップで販売アルバイトをしていました。当時、デザイン資料の重さに耐えられるのが革カバンしかなかったんです。ナイロン製のかばんだと、取っ手がちぎれそうで(笑)。だから学生時代以降は、革かばんしか使ったことがないんです」

卒業後はグラフィックデザイナーとして就職した下田氏。その後退職し、自ら「人生の夏休み」と呼ぶ期間を満喫している頃、かねてから知人だった革製品を製造・販売する会社の社長に声を掛けられ、その会社で働くことに。
「約10年働きましたが、かばんづくりをはじめ、新規ブランドの立ち上げをすべて一人でやらせてもらうなど、多くを学びました。それこそデザインだけじゃなく、生産管理や仕入れ、さらには倉庫での出荷作業なども経験しましたね」

ものづくりよりも環境を作りたくて起業を決意した。
「自由に発想して創造的な人が集まる場、仲間が同じベクトルを向いて前進できる環境を作りたくて。人が持つ個性や力を100%発揮できる環境を作る方法を考えたら、起業して自分で作るしかないという結論に至ったんです」

ストーリーのある商品の背後には人がいる

株式会社レスデザインは『-Less』と『alto』の2つのオリジナルブランドで、素材にフォーカスしたものづくりを展開している。
「神戸の会社なので、素材には日本で使われる革の6割以上を生産する高品質な『姫路レザー』を使っています」

また、オリジナルの革を作るなど、他社との差別化を意識した商品づくりを進めている。その過程では、下田氏自身が経験した3つの視点を活かしている。
「革製品のデザイナーではないグラフィックデザイナーの視点と販売スタッフの視点、そして革製品のユーザーの視点。この3つの視点を意識してデザインすれば、ストーリーのある商品が生まれてきます。商品にはストーリーが大切なんです」

さらにもう一つ、かばんづくりで大切なのが人だという。
「お客様はもちろんのこと、起業をサポートしてくれた人、職人さん、販売スタッフの人……そうした多くの人々の気持ちを常に意識することが大切だと思います」

そんな下田氏がFirstStepと出会ったのは知人の紹介だった。個人事業主ではなく、法人で起業したのは理由があった。
「起業したら新しい人とたくさん出会いたいかった。出会った方々と初めて取引させていただくなら個人より法人が良いのかな、と考えて法人化しました」

実店舗、そして海外を目指す!

グラフィックデザイナーから革製品デザイナーに転身し、起業を果たした下田氏。
「起業すると、会社のすべての業務を把握し、雑用も自分でやることになります。やりたいことをやる時間よりも、準備や周辺業務を行う時間が圧倒的に長いのが現実です」

自身もかばんをデザインする時間は、起業前の方が長かったという。
「デザインは大好きです。でも、みんなで楽しく働ける場を作るという環境のデザインに興味があったから続けられたんだと思います」

最後に、今後の目標について尋ねた。
「自分のブランドを立ち上げることは実現できました。次は学生時代からの夢でもある実店舗を出したい。さらには、私のメッセージを海外の人々にも伝えたいと思うようになりました。近い将来、海外の展示会などにも出展してみたいですね。そこに私自身がデザイナーとして成長できる可能性があるかもしれない。目指すべき未来のひとつだと思っています」

担当者より

前勤務先で、運営に関するひと通りの業務を経験されたとのことで、設立面談の時点から会社経営に対するスタンスをしっかりと確立されていました。
社長の予測よりも早く会社は軌道に乗りましたが、現在もまったくブレることなく起業時のスタンスを守り続けておられる下田社長の意思の強さを、とても尊敬しています。
そんな社長に負けないよう、会計面のパートナーとして一緒に頑張っていきたいと思います。(合田 美樹