代表取締役 来島 裕
HP http://kijikan.co.jp/

会社名 株式会社来島不動産鑑定所
住所 〒550-0002 大阪市西区江戸堀1丁目18番12号タマリスビル6階
電話番号 06-6147-7165
代表者名 来島 裕
設立 2013年4月
事業内容 不動産鑑定業

意地で取得した不動産鑑定士の資格

株式会社来島不動産鑑定所の代表取締役・来島 裕氏は、全国で7,000人いるという不動産鑑定士だ。不動産鑑定士の仕事は、不動産の経済価値を判定し、これを貨幣額をもって表示すること。クライアントが主に法人や公的機関で、一般の人にはなじみの薄い資格かもしれない。
「私自身、就職を真剣に考えるまで、この資格の存在を知りませんでした(笑)。当時は就職難の時代で、何か手に職をつけようと考えていた時、大学の生協で不動産鑑定士の資格を知って、この資格を取ろうと決めたんです」

今思えば、不動産を扱う不動産鑑定士の資格を選んだのは父親が大工だったからかな、と来島氏。この時から資格取得に向けた戦いが始まった。
「同期が就職活動をする中で、就職活動は一切せずに資格試験の勉強をしました。でも、弁護士・公認会計士と並ぶ三大国家資格と称されるだけあって合格に一苦労。最後は意地で勉強している感じでしたね」

合格すると、知人が不動産鑑定業界でトップクラスの企業を紹介してくれた。
「幸せなことに、僕は人の縁にとても恵まれているんです。10年間業界大手の会社に勤めることで、数万円〜数百億円まで、さまざまな不動産の評価を行う経験ができ、仕事にも環境にも満足していました。でも、経営者の方とお付き合いする中で、『会社経営をしてみたい』という想いがわき上がってきたんです」

人生は一度きりだから、悔いなき道を

起業する際に最も考えたのは、やはりお金のこと。勤め人時代に比べると起業当初は収入も低下して不安定になる。来島氏は、本当に大丈夫か悩んでいた。
「不安は尽きなかったですね。でも最後は長渕剛の歌にある『人生は一度っきりだから、生まれ変わるなら生きてるうちに』という歌詞のように、新たな人生を踏み出すなら少しでも早く、と考えていました」

最終的に来島氏が起業の決意をしたのは、すでに独立して成功している先輩の存在が大きかったそうだ。
「私が勤めていた会社は、すでに独立して成功されている多くの先輩がいて、親身になって相談に乗ってくれました。実は、今の事務所も先輩のひとりが移転するにあたり、家具をすべてそのまま置いて行ってくれたんです。本当に人の縁に恵まれていますよね」

FirstStepと出会ったのは、Web検索で見つけたことがきっかけだった。
「引き継ぎなどに忙殺されて、会社設立が予定よりも大幅に遅れてしまって……。なので、直接おうかがいしてお話を聞いて決めました。ここでも人の縁に恵まれてますね(笑)」

クライアントの不動産の価値を金額で表示するという来島氏の仕事。『自分が納得できるものだけをクライアントに提供する』ことにこだわっている。
「仕事はいかに手を抜かずに丁寧に取り組めるか。自分が納得できるまでやり遂げることが信頼につながっていくと信じています」

起業準備は計画的に、念入りに

起業後、着実に実績を積み上げる来島氏に、起業検討中の人へのアドバイスをおうかがいした。
「勢いで起業するのも良いですが、やはり計画をしっかり立てて起業準備を進めるのが正解だと思います。私自身、退職の1年ぐらい前から起業準備を進めるつもりが遅れがちになり、結果的にFirstStepにお願いしたのが退職前月でしたから。私自身、できなかったからこそ感じるのですが、念入りに起業準備を進めることは、起業直後の売上に直結してくると思います」

最後に、今後の目標をおうかがいすると、常に新しいことに目を向けて挑戦し続けたいという来島氏の意欲を感じた。
「来島不動産鑑定所の存在を一人でも多くの人に知っていただきたいですね。そのためには新しい切り口で仕事の幅を広げる必要があると感じています。法人のほか、個人の方にも相続税対策や賃料増減額請求等で不動産鑑定を活用して頂きたいと思いますし、グローバル化が進行していますので、海外不動産評価も視野に入れながら、新しいニーズを生み出すような取り組みにチャレンジしてみたいですね」

担当者より

来島社長はまさに不動産鑑定業界に新風を巻き起こす風雲児です。大手不動産鑑定所で培った人脈を駆使し、先輩方の意見も取り入れながら改革を起こしたいという強い意志を感じました。
外国籍のクライアントが増える昨今、グローバルな業務展開を目指して日々のハードな業務をこなしながら、英話での鑑定業務の勉強にも日々勤しんでおられます。
大手不動産鑑定会社に在職していれば、大規模な商業施設の査定や官公庁の仕事が舞い込んでくるにも関わらず、恵まれた環境を捨て、自らの力でクライアンを獲得していく姿を拝見していると、大手では行き届かないきめ細やかなサービスを構築して業界にとって不可欠な存在になられると実感しました。
責任感が強く、どんな依頼にも手を抜かない人柄に尊敬の念を抱きつつ、会計面において精一杯のサポートをさせていただきたいと心から思いました。(山田 元子